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Marklin 39853 ET85

2023年の新製品ですが、かなり発売まで時間がかかったET85形電車をご紹介します。

＜実機ミニヒストリー＞

バイエルン州の首都から周辺地域までの路線はすでに電化されていましたが、ローカル輸送には、機関車で牽引する列車よりも維持費が安価な、小型で機動性の高いユニットが必要でした。1924年以降、DRGのバイエルングループ管理局は、ハイデルベルクのH. フックス貨車工場に、バイエルンMCCi型の蒸気レールカー4両を電車に改造するよう依頼しました。納入された4両の車両は、ミュンヘン-シュタルンベルクおよびミュンヘン-ヘルシングのルートで非常に優れたパフォーマンスを発揮しました。蒸気車両の改造が成功した後、1933年までにさらに3件の製造が続き、最終的には36両の電動車と34両の制御車が製造されました。電車は何度か再ナンバリングされ、1940年に電動車にはET 85、制御車にはES 85というシリーズ名が与えられました。それらの多くは戦争中に失われ、ET 85は1940年代終わりに、24両となりました。紫と赤の塗装を施したこれらの車両は、ミュンヘンで運用されただけでなく、ニュルンベルク、ベルヒテスガーデン、ガルミッシュ、レーゲンスブルクでも運用されました。1968年以降、車両は485系および 885系として改番されました。1970年代にミュンヘン東およびフライブルクの車両基地での運用から徐々に退きました。モデルのET 85 21 と ES 85 20 は1958年の状態です。

(参考文献：MarklinMagazin24-6号)

<モデル概要>
電動車ET 85 と制御付随車ES 85のセットです。実車では、3軸客車をつないだ場合もあったようですが、それはありません。まず、第一印象は、外箱がでかい、いや、リベットだらけの車体や鉄板製の台車など旧型電車ファンを惹きつける外観や、マルチカラーの室内ディティールが魅力です。また、ヘッドライトとは独立した、ルーフエッジにあるマーカーライトが目を惹きます。

項目	内容
メーカー／品番	Marklin/39853 (2023 New Model)
実車形式／所属	ET 85 + ES 85 / DB München BW
軸配置	B'B'+ 2'2'
車番／エポック	ET 85 21 + ES 85 20 /Ⅲ期(1958年)
全長／全幅／重量	46.8cm　／　844g(実測)
スケール	1:87
最小通過曲線	360mm(R1)
材質	ダイキャスト
モーター	高効率モーター　フライホイール付き
駆動	ウォームギア＋シャフト　2+2軸駆動
車間カプラー	6極導電カプラー　ガイド機構付き
デコーダー	mfx+ Marklinサウンドデコーダー 21MTC
CS・MS表示名	ET 85 21 DB
加速／減速遅延	40 / 40
Vmin/Vmax	6/200　スピードカーブ：linear
モーター制御パラメータ	Vref(CV53)=88 K(CV54)=68 I(CV55)=54 Ri(CV56)=120
Sound Volume	230
mfxアドレス	69
MM2/DCCアドレス	48/3
ヘッドライト	3灯　(電球色LED)
マーカーライト	2灯　(赤色LED)
スピーカー	28mm/8Ω　電動車
f0	ヘッドライト／マーカーライト
f1	車内灯 (1 SUSI)
f2	サウンド：機関音
f3	サウンド：ホイッスル(長) (Sound1)
f4	ABV(漸次加減速)off
f5	車内照明(電動車のみ)(5 SUSI)
f6	運転室2側ヘッドライトオフ
f7 Moment	サウンド: ホイッスル(短) (Sound2)
f8	運転室1側ヘッドライトオフ (8 SUSI)
f9	ブレーキスキール音off
f10	車内照明(制御車のみ) (10 SUSI)
f11	運転室1照明 (11 SUSI)
f12	運転室2照明 (12･13 SUSI)
f13	サウンド: 送風機 (Sound9)
f14	サウンド：車掌笛 (Sound13)
f15	ブレーキスキール音on (Brake Dynamics)
f16	サウンド：コンプレッサー (Sound11)
f17 Moment	サウンド：エア排気 (Sound14)
f18 Moment	サウンド：砂撒き (Sound15)
f19	サウンド：扉閉め (Sound16)
f20	入換速度レンジ＋入換標識ライト
f21	サウンド：パンタ昇降 (Sound17)
f22	ヘッドライト／マーカーライト(電動車のみ)
メンテナンス	車軸給油：走行40時間毎
メンテナンス	ギア給脂：走行20時間毎 (TRIX 66626)
タイヤ	A軸2輪　E381 288
シュー	E262 501
付属品	説明書(含む部品表)　保証書　連結補助具運転台操作説明書　カプラーヘッド・空気管
購入日／購入店／価格	2025.01.25／HRS(大阪)


At a glance the package is as big as 1-gauge box.	2両の梱包を縦積みにせず、横並べにしたので、外箱が大きい！１番ゲージかと思うほどです。ちなみに、下が１番ゲージの客車の箱です。

The coupler between cars are 6-pole. Support tool for coupling.	ヘッドライトは3灯、マーカーライトは2灯です。実車ではヘッドライト下2灯とマーカーライトは自動車用ヘッドライトの流用だそうです。マーカーライトはこの電車のチャームポイントです。 M車・T車間のカプラーは、初めて見る6極導電カプラーで、主にライト関係の信号と思われます。T車側にはシューはないので、M車と連結しないと何も機能しません。この大きな導電カプラーを見せるのはみっともないので、常に連結して走らせることになります。ただし、M車だけの運行も可能で、その時はf22をオンにします。連結するとき、カプラー高さをあわせるための補助ツールが付属します。ICEやRAmなどに付属するものとは異なります。これを用いても、多極であるため、連結には慎重を要します。電極が曲がると面倒ですからね。

Truck facings only for display use.	付属品としてディスプレイ用の台車枠があります。比べてみると、ディスプレイ用は上部がカットされていないので、台車回転角度に制限がありそうです。さほどディティールに差はないので、ディスプレイ用に履き替える必要もないかなと思います。

Interior details - Luggage shelves.	客車やディーゼルカーや電車の魅力は室内ディティールにもありますが、従来は単色かせいぜい２色くらいでしたが、最近のモデルは多色化が図られています。さらにこのモデルは、座席上の荷物棚もあります。１番ゲージのようになってきました。室内照明ユニットの支持に座席背もたれを使用しなくなったので、こういうディティールは今後増えていきそうです。早くお客さんを乗せなければ。

Interior details - not so multi color.	マルチカラーとは言っても、塗り分けているわけではなく、色の異なる部品を組み合わせるということのようで、座席は、従来同様、ちょっと味気ない単色でした。

Details of cabin.	わかりにくいですが、キャブのディティール。このモデルは違いますが、今後のモデルは計器板照明が点灯するものもあるようです。キャブの後ろは、スピーカーのシュラウドです。

Pantograph.	電気車の魅力のひとつは、パンタグラフ。やはりシングルアームよりも菱形パンタが魅力的です。電動昇降機能はついていません。なお、上の写真でもわかると思いますが、テグスでパンタ高さを制限しています。架線がないときの見映えと、架線の張り方がよろしくない場合の安全策。

Detailed of underfloor and rivets.	電車ですので床下機器のディティールも大切。リベット表現は、やや大粒のようにも思えますが、鋳造でやっているので立派。なお、着色していないレールは、先般発売になったワイドアングルダブルスリップで、各車の通過テスト中です。

Rear view. Attractive marker lights	あらためて、魅力的なマーカーライトを。

以上、ET85の簡単なレポートでした。やや高価ですが、走らせても見ても楽しめるので、旧型電車ファンにはおすすめです。これもハンドリングは要注意です。