保線区

３線式システム用フィードバックモジュール (Uhlenbrock 63350)

Feedback Module for 3-rail system (Uhlenbrock 63350)

購入してから随分時間が経ちますが、記録として残すため記事にします。
フィードバックモジュールとは、メルクリンのs88デコーダーに準拠する機能を持つ機器で、主な目的は在線検知であり、コンタクトレール・サーキットレール・リードリレーなどの在線センサーの状態を常に監視しコントローラーに情報伝達するものです。閉塞制御や自動制御やPC制御ソフトには不可欠のものです。メルクリン純正だけでなくサードパーティーから製品化されていて、これもそのひとつです。２線式用にもフィードバックモジュールはあって、それらは前記のセンサーではなく車両の消費電流を検知する方式となります。63350は、３線(メルクリン)式用です。ただしリードリレーをセンサーとして使う場合は、２線式に使用する事もできます。

	３線式在線検知用ですが、例えば連動制御盤の押しボタンの状態検出にも使用できます。ネジ式端子の左端はGNDで、コントローラー(またはBooster)のフィーダー出力の"O"(茶線)に接続します。その右の16端子はセンサーからのフィードバック入力端子です。その右はステータス表示LED、その右はプログラムボタンです。

	メルクリン準拠モジュールと最も異なるのが、フィードバック情報をコントローラーに送るバスで、本製品はLocoNetバスで端子は6極モジュラージャックRJ12となっています。Digitrax製品にも採用されているバスです。 CS3底面の新s88バスポートは、Ethernetと同じ8極RJ45であり、間違えないで下さい。よって、このモジュールが使用できるコントローラーは、LocoNetバスを採用しているもので、Uhlenbrock社のIntelliboxやDigitrax社の製品ということになります。

	とはいえ、現在Intelliboxを使うユーザーは多くなく、ESU社のECoSが主流となっていると思われますが、ESUからは、L.Net converterという周辺機器が販売されており、これを使用すれば、63350モジュールをECoSで使用できます。さらに、Digitrax機器もECoSと接続できます。メルクリンでは、CS2とCS3には接続できませんが、ESUからのアップデートソフトによりECoS化したCS1(Central Station "Reloaded")には使用できます。

	プログラミング：本モジュールは、モジュール番号やフィードバック入力アドレスをCVプログラムする必要があります。モジュール上のプログラムボタンを押してプログラムもできますが、ECoSやIntelliboxに用意されている専用プログラム画面で行う方が良いでしょう。

以上、備忘録も兼ねてのご紹介でした。

メルクリンの以前のデジタルシステム(6021 Control Unit等)時代に、高機能なUhlenbrock社のIntelliboxが参入してきてシェアを拡大したので、本モジュールのようなLocoNet周辺機器を導入した人も多かったと思いますが、今はCS2・CS3やECoSへ替えてしまい、LocoNet周辺機器が死蔵されているケースも多いと思われます。ただし、ECoSユーザーであれば、LocoNetコンバーターを導入することにより古いLocoNet機器やDigitrax機器を再利用できる可能性があります。

（2022/05/27 written by H.Inoue)